第19章 私と蓮の婚約披露宴をデザインして

『スターライト・コレクション』の特設会場は、まだ設営の真っ最中だった。

巨大な鉄骨の骨組みが組み上げられ、作業員たちが足場を行き交いながら、舞台装置を取り付けている。

西園寺希美は会場の中央に立ち、頭上を仰いだ。

今はまだ鉄骨が剥き出しだが、彼女の目には、ライトが灯り、モデルたちが颯爽と歩く光景がありありと浮かんでいた。

這い上がって、ようやく掴んだ現在の地位。

これは彼女が責任者として主催する、初めてのファッションショーなのだ。

八ヶ月もの心血を注ぎ込んだ、集大成。

彼女はスマートフォンを取り出し、当初のデザイン画を表示させた。

ランウェイの上空にはプラネタリウムの装置が懸...

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