第191章 シチリア島

シチリア島の空港。

アマルフィアに降り立ったばかりの神宮寺蓮は、まさか自分が誰かの噂話の種になっているとは知る由もなかった。

着陸と同時に携帯電話の電源を入れる。村居大輔からの返信はない。だが、彼が既に動き出していることは蓮も承知していた。

今回は、単独行だ。

空港からの送迎車に揺られ、葡萄園へと到着する。車が門の前に停まるや否や、腰に手を当てたアマルフィア人の男二人が、ゆらりと近づいてきた。

「何の用だ?」

面長で茶髪の男が先に口を開く。

一見してカタギではないと分かるその男を、蓮は値踏みするように見やった。ルッソ家は貧乏人ではない。男は蓮の腕にある時計が四百万ドルを下らない...

ログインして続きを読む