第21章 神宮寺蓮、恥知らず!

午前一時。会社のドアが押し開けられた時、西園寺希美は机に突っ伏してまどろんでいた。

開門の音に驚いて弾かれたように顔を上げると、入り口には神宮寺蓮が立っていた。逆光に照らされた彼の影が、床に長く伸びている。

西園寺希美の心臓がドクリと一拍跳ねた。

反射的にスマートフォンに目をやる。彼女が送ったメッセージへの返信はない。

だが、こんな時間に彼がここに現れたということは、メッセージを見たからに違いない。

彼女は慌てて立ち上がった。膝を机に強打し、「ガタッ」と大きな音が響いたが、痛みなど気にかける余裕もなかった。ただ真っ直ぐに彼を見つめる。

神宮寺蓮が中へと歩を進める。高価な革靴が、床...

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