第24章 彼は全く気にしない

レセプションパーティーの会場は、郊外にある会員制サロンだった。

バロック様式の内装は贅を極め、シャンデリアの放つ光が目に痛いほど煌めいている。

西園寺希美は西園寺玲奈の後ろについて個室に入った瞬間、濃厚な酒の臭気と安っぽい香水の匂いに包まれ、思わず眉をひそめた。

室内は淀んだ空気に満ちていた。厚化粧の女を抱き寄せた数人の男たちが酒をあおり、卑俗極まりない笑い声を上げている。

「さあ、みんな聞いて」

西園寺玲奈はパンパンと手を叩き、希美を自分の前へと引き寄せると、張り付けたような虚偽の笑みを浮かべた。

「私の妹、西園寺希美よ。デザイン部の才女なんだから」

彼女はわざとらしく「妹」...

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