第253章 一つの名前

「ナイヴィク?」

唐突に飛び出した耳慣れない名前に、西園寺希美と橘奏太はほぼ同時に驚きの声を上げた。

電話の向こうで居川梨乃が短い相槌を打つ。それに重なって、シャカシャカと袋を引き裂く音が聞こえてきた。どうやらポテトチップスを開けたらしい。

「待て、どうしてそれが分かったんだ? いや、そもそも、そいつの名前がナイヴィクだってどうして断言できる?」

矢継ぎ早に問い詰めたのは橘奏太だった。眉をひそめ、納得がいかない様子で食い下がる。

一方、西園寺希美は別の疑問を口にした。

「名前が分かっているのに、どうして死因は自殺で片付けられてしまったの?」

「ナイヴィクっていう名前はね、事件現...

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