第30章 警告

懲罰の意味合いを帯びたその情事は、それほど長くは続かなかった。一時間後、車は西園寺家の屋敷からほど近い路地で、ゆっくりと停車した。

だが、車から降りてくる気配はない。

運転席の黒田洋二は急かすこともなく、前方に佇むすでに明かりの消えた別荘をただ静かに見つめていた。

そこが、西園寺家だ。

後部座席、パーティションの奥。

神宮寺蓮は頭をわずかに反らせ、端然と座っていた。その太腿の上に、西園寺希美が跨っている。

彼女の肌は白く、西園寺家で十分な手入れをされていないとはいえ、依然として白磁のように滑らかだ。少し強く触れるだけで、すぐに痕が残るほど繊細だった。

男の指が彼女の太腿に食い込...

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