第43章 警告

乾いた破裂音が響き、神宮寺蓮の顔が勢いよく横へ弾かれた。

だが、その表情は能面のように微動だにしない。彼はすぐに顔を戻し、怒りに燃える老人を静かに見据えた。その声は、あまりに平坦だった。

「お爺様」

孫の顔色が変わらないのを見て、祖父である神宮寺家の総帥は、腹の底の怒りを少しだけ鎮めたようだ。

「フン、自分の立場というものが分かったか?」

その言葉にも、神宮寺蓮の顔色は変わらない。わずかに伏し目がちになり、沈黙を守る。

「今日のお前は、あの愛人の子に骨抜きにされたようだったぞ。まさかあの女を庇うとはな! お前のその態度のせいで、西園寺家に対して我が家がどういう立場に立たされるか、...

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