第44章 児戯ではない

西園寺玲奈はその言葉を聞くと、くすりと嘲るような笑い声を漏らし、神宮寺蓮の肩に頭を預けた。

「希美ちゃん、寝ぼけてるの? あの公式発表の意味も分からないなんて」

西園寺希美は彼女に見向きもせず、カッとなった瞳を大きく見開き、神宮寺蓮だけを見据えた。涙が意思に反して頬を伝い落ちる。

「あなたに聞いてるのよ! あの発表は一体どういうこと!」

神宮寺蓮の表情が曇る。

「事実だ」

その言葉に、西園寺希美はよろめきながら一歩後退した。乾いた笑いが口から漏れる。

「事実……?」

神宮寺蓮は唇を引き結び、冷淡な声で告げた。

「神宮寺家の発言は、児戯ではない」

瞬く間に、周囲から西園寺希...

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