第46章 心ときめくオファー

西園寺希美はその言葉を聞くと、瞳の奥に光を宿し、わずかに眉をひそめた。

「城戸さん、呼び方に気をつけてください」

城戸和彦は彼女の四角四面な態度を面白がるように、頬杖をついたまま悪びれる様子も見せない。

「たかが呼び名だろう? 西園寺さんはそんなことを気にするのか。じゃあ、希美はどうだ?」

西園寺希美が反応する隙も与えず、城戸和彦は立て続けに英語、フランス語、ドイツ語と、あらゆる言語の愛称を並べ立てた。

彼がそれらの言葉をあまりに滑らかに口にするのを見て、希美はこれがこのプレイボーイの流儀なのだと悟った。途端にどうでもよくなり、話題を変えて城戸和彦が所有する会社について尋ねた。

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