第4章

 寒さは最初、足元から這い上がってくるだけだったが、やがて骨の髄まで突き刺さる無数の針へと変わった。

 あの吹きさらしの中庭に、一体どれくらい立ち尽くしていたのだろう。肩を露出したドレスに霙が打ちつけ、ずぶ濡れになった布地は氷の死装束のように肌に張り付いていた。指先は最初こそ痛んだものの、次第に何の感覚もなくなっていった。

 意識が遠のき始めた時、恐怖すら感じなかった。ただ、低体温症というのはこういうものか、とぼんやり考えていた。静かで、ゆっくりとしていて、まるで世界から優しく追放されていくような——

 その後、誰かが叫ぶ声がして、眩しい光が顔を照らした。そこから先の記憶はない。

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