第155話

頭にきていた、なんてものじゃない。

彼がどれだけ輝く鎧の騎士を気取ろうと、どうでもよかった。

もううんざりだった。

「邪魔しておいて、感謝されるとでも思ってるわけ? あなたはイヴェインを裏切った。ハーパーと寝た。彼女が私のスタジオに乗り込んできて問題を起こした時、あなたが何とかする、彼女を抑えておくって言ったくせに。このザマよ」私は床に散らばったガラスの破片とぐちゃぐちゃのケーキを腕で指し示した。「これがあなたの『助け』だっていうなら、あなたが本気でめちゃくちゃにしようとしたらどうなるのか、考えたくもないわね」

カシアンは何か言い返そうと口を開きかけたが、結局閉じて、私たちの周りの惨状に目をや...

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