第184話

オクタヴィアの隣に座っていた女性が、身を乗り出した。

「ヴァンスさん、的を射たことを言っていますわ。結果に異議があるなら、人々に判断を委ねるべきです。私なら彼女に満点をつけます。息をのむような作品ですもの」

彼女はまっすぐ私を見つめた。

私はその視線を受け止め、一度だけ頷いた。

チャット欄は再び熱狂に包まれた。

[あの女の人、誰?正論言ってる]

[彼女も審査員?]

[誰か名前教えて、超美人]

[ローワン・ヘイルだ!私の憧れの人!海外から帰ってきたばかりなの?]

デュボワ博士はブラウスが濡れるほど汗をかいていた。

文字通り、本物の汗だ。

襟元を濡らし、上唇の上でキラリと光っていた。

彼女は席を立...

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