第349話

カーテンの隙間から陽光が差し込んでいた。すっかり朝だ。しかも、よく晴れているらしい。

またリースが咳き込むと、私の胃はきゅっと縮こまった。熱があるのだろうか? 傷が感染した?

クソっ。

私は急いで彼が横たわる場所へ駆け寄り、その額に手を当てた。「ひどい熱じゃない……」

「危険だ……危ない……ミラベル……」彼は眠りと熱に浮かされた分厚い声で呟いた。「駄目だ、やめろ……ミラベル……危ない!」

「リース? リース、起きて」彼は何かの悪夢に囚われ、ぴくぴくと痙攣している。もう一度名前を呼んだが、身じろぎもしない。

私はそっと彼を揺さぶった。「リース! 起きて!」

「ん……?」彼の目がぱっと開き、混乱し...

ログインして続きを読む