第396話

ミッキーは彼女が指差す先を覗き込み、思わず息を詰めた。

「えっと……手前の二本は、どう見てもママの足だよ」

「え? ママの?」ミニーはもっとよく見ようと屈み込んだ。

確かに、奥にある二本の足は手前のものより細い。

「本当だ……ママの足だわ」

「出ていけ!」カーテンの向こうから、パパの怒鳴り声が響いた。二人が飛び上がるほどの大声だった。

ミニーがミッキーの袖を引っぱる。「パパ、怖くないでしょ? あなたが行ってよ」

ミッキーはカーテンと、その向こうの狭い空間を見つめ、それからあの四本の足について考えた。

突然、居心地の悪い理解が彼に芽生えた。

「たぶん、僕たち、ここを離れた方がいい」

「離...

ログインして続きを読む