第118章 浮気される

黒崎社長は、清水家と手を組むつもりなのか。

堂本家を一気に叩き潰すために――?

なかなか返事が来ないまま、黒崎冬馬の声がひやりと沈んだ。

「今の話、ちゃんと聞いていたか」

秘書ははっと我に返り、慌てて答える。

「承知しました。すぐに手配いたします」

黒崎冬馬は短く「うん」とだけ返し、そのまま通話を切った。

そのころ――

A市。

九条グループ。

ビルの下、路肩には銀色のアウディが一台停まっていた。

清水環奈はエントランスのほうを食い入るように見つめている。

数分後、すらりと背の高い影が中から現れた。

ようやく捕まえた――そう思った瞬間、清水環奈はすぐにドアを開けて車を...

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