第119章 計略

まもなく、黒崎冬馬を先頭に、清水昌宗、清水由衣がその後に続き、一行はホールの中へ入っていった。

東側の庭園では、温井知夏が温井拓海の姿を探していた。

そのとき、不意に行く手を遮られる。

相手の顔を見た瞬間、温井知夏はきつく眉を寄せた。

「どうしてあなたがここにいるの?」

「それはこっちの台詞だ。知夏こそ、どうして清水家にいるんだ」

九条司はそう問い返した。

さっきからずっと温井知夏の後を追っていた。彼女は落ち着きなくあたりを見回し、何かを探しているようだった。物か、それとも誰かか――。

そこまで考えたところで、九条司の目がすっと陰る。

温井知夏はぴしゃりと言い返した。

「...

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