第14章 自作自演の一幕

「その席は清水さんに譲ります」九条知夏は淡々と言った。

知夏が自分と娘をまるで汚物でも見るかのように避けているのを見て、九条司の顔色は凍りついた。

清水環奈は慌てて二人の隣の席へ腰を下ろした。――ついさっき九条知夏が座っていた場所だ。

食事が始まっても、九条司の胸には怒りがくすぶったままだった。不機嫌なのは自分だけでいいと思えない。九条知夏まで不快にしてやりたくて、わざと清水環奈の皿へ料理を取り分ける。

「ほら、これ食べろ。田中さんの得意料理だ」

「ありがとう、司」清水環奈は頬を染め、嬉しそうに目を細めた。

彼女も礼儀正しく返すように、箸を伸ばす。

「司も食べて」

「……ああ...

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