第149章 久しぶりの再会

「知夏さんなら、三十分ほど前に出発して、お客様のお宅へ伺いました」凛香が答えた。

本当はもっと早い予定だった。だが客から急に電話が入り、都合ができたから時間をずらしてほしいと言われたのだという。

その言葉を聞いた瞬間、黒崎冬馬の胸の奥に、理由のない嫌な予感がぬらりと湧いた。低い声で急かす。

「住所を。今すぐ俺に送れ」

数分後。

黒崎冬馬はスタジオを飛び出し、車へ戻ると、ハンドルを切って市北部の邸宅街へ向かった。

その邸宅は、半年前に正体不明の買い手が購入したと聞いている。

なぜ今になって、温井知夏にスーツのデザイン画を依頼する。しかも、開業したばかりの小さなスタジオに。

目的...

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