第151章 もう二度と逃したくない

「当主様」

受話器の向こうから、児島の声がした。

「児島、調べてほしいことがある。市の北部にある、あの私邸……買い手の身元を徹底的に洗え。必要なら、多少荒っぽい手も使っていい」

「承知しました。すぐに手配いたします」

通話を切ると、黒崎冬馬は親指の腹で画面をなぞり、ロックのかかったプライベートアルバムを開いた。そこにあるのは、温井知夏の写真だけ。数は多くない。中には、彼女が大学に入ったばかりの頃のものまで混じっている。

黒崎冬馬はその一枚を見つめた。眼差しは甘く、そして執着に濡れていた。

「知夏……俺は一度、お前を取り逃がした。だが今度は違う。誰にも奪わせない」

彼女を失ってか...

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