第163章 彼に打ち明ける

「君のそばにいたい。目を覚ましたとき、最初に見るのが俺であってほしい」

黒崎冬馬は掠れた声で、一語一語を噛みしめるように言い切った。青い瞳は瞬きひとつせず彼女を捉え、底にはほどけるような優しさが満ちている。

温井知夏の胸が、何かに撃ち抜かれたみたいにきゅっと痛んだ。酸っぱくて、柔らかい。

「バカ」

知夏は顔をそむけ、窓の外の真っ黒な夜を見たまま、小さく問いかける。

「……あのとき、怖くなかったの?」

濃い煙の中へ、危険も顧みず飛び込んで彼女を助けたこと。そのことを言っている。

「怖くない」

冬馬は一拍置き、決めつけるような声音で続けた。

「怖いのは、お前が傷つくことだけだ」...

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