第170章 亡霊のように付きまとう

「どこで食事するの?」

車に乗り込むなり、温井知夏が何気なく訊いた。

「着いたら分かる」黒崎冬馬が、どこかもったいぶって言う。

その一言で、知夏の好奇心に火がついた。

三十分後。

黒のベントレーが、高級レストランの前で静かに停まった。

二人で中へ入ると、店内は落ち着いた照明と洗練された調度で、空気まで上質に感じる。支配人が自ら出迎え、すぐに三階へ案内した。

「黒崎様、準備は整っております。お料理をお出ししてよろしいでしょうか」

「頼む」

黒崎冬馬が淡々と一言だけ落とす。

そのとき、知夏はふと顔を上げた。

――天井が、星空だった。

夜空を模したドームに、星が散りばめられ...

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