第173章 招かれざる客

「知夏はまだ仕事が残ってて……」温井千代は取り繕うように言った。

言い終える前に、九条司が遮る。

「伯母さん、三食はきちんと取らないと体を壊します。先に杏奈と食べていてください。俺が知夏を呼んできます」

温井千代は即座に止めた。

「九条司、知夏の邪魔をしないで」

「邪魔なんかじゃありません。知夏の体が心配なんです」

九条司は忠告を聞かず、足早に階段を上がっていった。

温井千代が手を伸ばしても、空を掴むだけだった。

そこへ九条杏奈が近寄り、温井千代の腕にぎゅっと抱きつく。

「おばあちゃん、先にごはん食べよ? ね?」

幼い声。甘える響き。

けれど温井千代は険しい顔のまま、そ...

ログインして続きを読む