第179章 意図的に狙う

新任の警備員は、それを聞くとさすがにこれ以上きつい言葉は吐けなくなった。

「清水さん、会社の規定でして。ご予約がない方はお通しできません。よろしければ……九条社長に直接ご連絡いただけますか」

清水環奈は言葉に詰まった。

連絡がつくなら、わざわざ九条グループのビルの下で騒いだりしない。

このところ九条司は、彼女を徹底的に無視している。

考えれば考えるほど腹が立つ。

全部、温井知夏のせいだ。

あの女さえいなければ、九条司が自分にこんな仕打ちをするはずがない。

半年前――温井知夏が離婚だなんだと揉める前の九条司は、こんな男じゃなかったのに。

「清水さん、さっきもご覧になったでしょ...

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