第206章 まるでケシの花のよう

「……おまえ――」

黒崎冬馬はもうお手上げだと言わんばかりに、彼女の身体をぐいと引き上げた。大きな手が腰を抱え込み、指の腹が柔らかな腰のくぼみをゆっくりとなぞる。耳元へ唇を寄せ、悪魔みたいに囁いた。

「知夏。今のこと、ちゃんと覚えておけ。あとで泣きついても知らないからな」

「誰が……求めるっていうの……」

言い終えるより早く。

押し寄せるようなキスが、温井知夏の言葉を丸ごと呑み込んだ。

寝室の空気が、ふっと熱を帯びる。

深く、執拗に。唇を割り、舌先で歯列をなぞり、口の奥で絡め取るように彼女の舌を弄ぶ。甘く、逃げ場のない口づけ。その一方で、彼の手は休まない。敏感な場所を探り当てて...

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