第210章 後で落とし前をつけさせる

「娘を嫁にやりたくないってんなら、お前が嫁に行け!」

津崎富岡が吐き捨てるように言った。耳を疑うほどの暴言。

その一言で、津崎玲美は言葉を失った。二十年以上、同じ布団で眠ってきた夫を見上げ、改めて思い知らされる。――この男は、救いようのないクズだ。

長年連れ添った妻にまで、平然とそんなことを言うなんて。

「あなた……!」

玲美は震える指で彼を指したが、怒りで喉が詰まり、文にならない。

「俺が何だよ?」

富岡は鼻で笑い、畳みかける。

「中川社長がいくら結納金を出すか知ってるか? 1億だ」

「その1億をお前が用意できるなら、娘を中川家に嫁がせなくて済む。出せないなら――話は終わ...

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