第217章 もう二度と俺の前に現れるな

「止まれ」

九条司の冷えた視線が、刃物みたいに清水環奈を抉った。

清水環奈は心臓がひゅっと縮み、頭が真っ白になる。反射的に媚びるような声を作った。

「司……どうしたの?」

九条司は書類の束を彼女の前へ叩きつける。

「自分で見ろ」

清水環奈は訳も分からず拾い上げ、数ページめくった。次の瞬間、血の気が引いて、唇が震える。

「司……司、聞いて。これは……説明できるの……」

九条司は陰の沈んだ目で彼女を見据えた。そこに温度は一欠片もない。

「その傷は、お前が自分で火傷したものだ。お前は、あの時俺を助けた人間じゃない……十年以上、俺を騙しやがって」

「ち、違う……!」清水環奈の涙が...

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