第221章 十年ぶりの再会

堂本将人は数秒黙り込み、眉尻をふっと緩めた。

「……そうだ。温井貴志をやらせたのは、俺だ」

温井知夏は全身が震えた。黒崎冬馬が、彼女の手をきつく握り返す。

「どうして……?」知夏の声も震えていた。「うちの父が、あなたに何をしたの?」

「別に、俺に何かしたわけじゃない」堂本将人は灰皿に煙草の灰を落とす。「ただ、邪魔だった。それだけだ」

淡々と、まるで世間話でもするみたいに続ける。

「当時、温井グループが握ってた案件があった。俺はそれが欲しかった。だが、あいつは渡さなかった。だから温井拓海に資料を盗ませ、温井家の資金繰りを断ち切った」

「温井貴志は異変に気づいて、俺を嗅ぎ回り始めた...

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