第31章 彼女をどうやって追いかける?

「おばあちゃんが、病気が治ったらママに会わせてくれるって言ってたの」

九条杏奈は嬉しそうに、自分の喜びを父に分けた。

娘の口から温井知夏の名が出た瞬間、九条司の瞳が翳る。

このところ、あらゆる手を尽くしても温井知夏の行方は掴めなかった。誰かが意図的に彼女の足取りを消している――そうとしか思えない。

「杏奈……」

九条司は言いかけて、飲み込んだ。

知夏はもう戻らない。自分たちを捨てた。もう二度と要らないのだ――そう告げれば、娘をもう一度泣かせる。

胸の奥に苦いものを溜めたまま、父はやさしく宥める。

「ママに会いたいなら、早く元気にならなきゃな」

「うんうん、わかってるよ、パパ...

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