第42章 彼女以外は誰もいらない

「うん。人に頼んで調べさせるよ」

母親に何度も「清水環奈のことをきちんと調べて」と念を押され、九条司の胸にも疑念が芽生えた。腹心に命じて、徹底的に洗わせるつもりだ。

いったい何が、母をそこまで清水環奈嫌いにさせるのか。

息子が話を聞き入れたと見て、九条美幸の顔色がわずかに和らぐ。病室の扉のガラス越しに、中にいる二人へ視線を滑らせた。

──温井知夏は、もう前へ進んでいる。

美幸は、息子が知夏を取り戻すことに、最初から期待していない。

しかも今日は、完全に決裂した。

どこか悔しげな表情のまま、美幸は腹を割って言った。

「司。たとえこれから知夏と一緒になれなくても、お母さんはね……...

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