第51章 当時の真相

「どうしたの、お母さん。どこか具合でも悪いの?」温井知夏は思わず声に不安が混じった。

「お母さんは平気よ。いいから、二次会が終わったら早めに帰ってきなさい」

温井千代は電話の向こうでそれ以上は言わなかった。ただ、妙に硬い声だった。

個室に戻ると、知夏は青山晴美に帰る旨を伝えた。

「まだ早いでしょ。せっかく集まったのに……」

「家で急用があって」知夏はそれだけ告げる。

そこまで言われてしまえば、晴美も引き留められない。

知夏が皆に「先に失礼するね」と頭を下げた、そのとき。

黒崎冬馬が席を立った。

「送る」

ざわ、と空気が揺れる。

「え、黒崎神まで帰るの?」

「二人で示し...

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