第63章 匿名の小包

「知夏、荷物よ……」

震える声でそう言いながら、温井千代は黒い縁取りのある包みを両手で抱えていた。指先までかすかに震えている。

「誰が持ってきたの?」

温井千代は首を横に振る。

「分からないの。さっきチャイムが鳴って、出てみたら玄関の前にこれが置いてあって……」

「開ければ分かるよ」

温井知夏は包みを受け取った。

「だめよ。中に何が入ってるかも分からないじゃない。もし爆発物だったらどうするの?」

不安を隠しきれない顔で、温井千代が引き止める。

温井知夏は母を落ち着かせるように言った。

「母さん、今は法治国家なんだから、そんなもの簡単に手に入るわけないでしょ」

そう言って...

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