第68章 偶然の出会い

「ほんと、すっごく絵になる……!」

「どうやって出会ったんだろ。男の人はかっこいいし、女の人はきれいだし。お似合いすぎて羨ましいわ」

まさか、自分たちが人の噂の的になるなんて。

しかも、家族だと勘違いされるなんて思ってもみなかった。

温井知夏はさりげなく隣の黒崎冬馬を横目で見た。彼はどこまでも落ち着き払っていて、口元にはかすかな笑みさえ浮かんでいる。

……なんだか、嬉しそう。

そう思った途端、頬がふわりと熱くなる。

温井知夏は母の袖をちょんと引いた。

「お母さん、少し別のところを見て回ろう」

そう言うなり、返事も待たずに母の手を取って水族館の外へ出る。

背後のひそひそ声が...

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