第70章 行方不明

「よし。お母さんがチケット、買ってきてあげるわ」

温井千代は有無を言わせず売り場へ向かい、ほどなくして2枚のチケットを手に戻ってくると、それを二人の手にぐいっと押しつけた。

「はい、もう早く乗ってらっしゃい!」

「お母さん、私は……」

温井知夏が戸惑っていると、黒崎冬馬が自分から手を伸ばし、彼女の手を取った。青い瞳で横目に見やり、低く言う。

「伯母さんの気持ちを無駄にするな。行こう」

そうしてそのまま、温井知夏を連れて観覧車のゴンドラへ乗り込んだ。

係員が確認を終え、扉の鍵を二重にかける。

やがて観覧車は、ゆっくりと上昇を始めた。

温井知夏は黒崎冬馬に手を引かれたまま腰を下...

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