第141章

九条グループ。

郊外案件をようやく片づけ、久々に本社へ戻ってきた九条陽向は、気分がやけに軽かった。

指には、柚木結華と同じデザインのペアリング。――それだけで、胸の奥が満たされる。

廊下ですれ違う社員にまで自分から声をかけ、笑顔で会釈を返す。

周りも「お帰りなさい」「おめでとうございます」と口々に祝って、空気は妙に和やかだった。

斎藤秘書は、九条陽向の確認が必要な書類があり、階下のオフィスへ向かった。

陽向の執務室は扉が開け放たれていて、中では誰かが楽しげに談笑している。

コンコンコン――

斎藤秘書がノックした瞬間、室内の空気が変わった。

さっきまで笑っていた連中が、顔色を...

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