第145章

祝賀会が終わり、皆が次々と柚木結華に別れを告げた。

結華は酒が入っていたこともあり、今夜はホテルに泊まるつもりでいた。エレベーターで上階へ向かう途中、スマホが震える。表示は柚木安東。

しばらく眺めてから、結華はようやく通話ボタンを押した。

「お前の発表会、見た。成功だったな」

声には、祝う気配がほとんどない。

電話越しの妙な間を安東も感じ取ったのか、結華の返事を待たずに続けた。

「この前帰ってきた時に言ってたな。お前の母親の宝飾の件だ。林田さんに全部まとめさせた。都合のいい時に取りに来い」

その言葉で、結華の口がようやく動いた。気だるい声で言う。

「……今から帰る」

結華は...

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