第166章

帰りの車中、柚木結華は窓の外をぼんやり眺めていた。

九条獅堂は運転しながら、ずっと彼女の様子を窺っている。

結華のスマホは、ここ数日ずっと静かだった。

九条陽向も、ようやく――狂ったみたいに結華を追い回すのをやめたらしい。

九条獅堂の目尻が、わずかに下がる。

誰も知らない。あの数日、彼がどれほど落ち着かなかったか。結華があの男にもう心を動かすはずがないことは分かっている。だが、二人は三年も一緒にいたのだ。

結華の三年を取り戻せなかったことを思うたび、胸の奥がじわりと詰まった。

車が賑やかな通りを抜けたあたりで、獅堂が口を開く。

「結婚式の料理、結局食べられなかっただろ。腹、減...

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