第168章

柚木結華は黙ったまま話を聞き、スプーンでかき氷をひとさじすくって口へ運んだ。ひんやりとした甘さが舌に広がり、頭の中まで澄みわたっていく。

千堂椿にだって、柚木安高のやり方が普通じゃないことくらい分かる。どこか人間そのものが歪んでいて、薄気味悪い。長年「何にも興味がない」顔をしてきたとはいえ、彼には他の事業がない。柚木ジュエリーの内情を、まったく知らないはずがなかった。

それなのに、わざと会社を追い詰めている。

いったい、何を狙っているのか。

椿は結華の返事がないのを気にした様子もなく、退屈そうにスマホを取り出して画面を確認すると、ぱっと表情を明るくした。

「明日、九条奥さんの誕生日...

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