第17章

柚木結華が考え込んでいると、不意に、玄関のチャイムが鳴った。

こんな時間に、いったい誰――そう思った途端、血の気が引く。

隠れようにも、ここは自分の家じゃない。勝手も分からない。どこへ逃げればいいのかすら見当がつかなかった。

結華がどうしていいか分からず固まっている間に、九条獅堂は何事もなかったようにゆっくり立ち上がり、長い腕を伸ばしてドアを開けた。

結華は慌てて窓際へ移動し、必死に平静を装いながら、玄関先の気配に耳を澄ませる。

「……お前か」

獅堂の声は淡々としていて、どこか冷たい。

「叔父さん」

外から聞こえた九条陽向の声に、結華は思わず目を見開いた。

どうして、ここに...

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