第26章

母が逝ってからというもの、柚木結華は柚木家にとって、すっかり「余りもの」になった。

そう思った瞬間、結華は身をきゅっと縮こませる。小さく丸くなればなるほど、自分を少しでも温められる気がして。

柚木家と九条家の縁談で、結華と九条陽向は恋人同士になった。けれど婚姻にまでは進まず、柚木安東は「この話は流れた」と見なしたらしい。

実の娘である結華への失望は深まる一方。しまいには結華を見切り、よその娘を実子同然に扱い、林田清美に柚木家のすべてを継がせようとしている。

――けれど、あの人たちは知らない。

二十六歳の誕生日の夜、結華は九条獅堂に出会い、特殊な力が目覚めたことを。

まだ扱いはおぼ...

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