第32章

「先輩、すみません。前にあんな大口を叩いたのに、結局がっかりさせてしまいました」

七瀬伊江はしょんぼりとうなだれ、力の抜けた両手をソファの肘掛けに預けた。

これまで何度も柚木結華に助けてもらってきた。ようやく自分が先輩の力になれる機会が巡ってきたというのに、まさかこんなところで行き詰まるなんて。

「でも、安心してください。戻ったらほかの同僚にも相談してみます。みんなにも分析してもらって、先輩みたいなケースなら、どう動けばきれいに抜けられるのか考えますから」

会社へ向かう途中、柚木結華は七瀬伊江に自分の考えを打ち明けていた。

もう柚木ジュエリーで働くつもりはない。けれど、自分に属する...

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