第43章

九条獅堂は、柚木結華の頬がぷくっと膨らんでいるのを眺めた。まるで小さなハムスター。可愛くて、つい構いたくなる。

気づけば箸が勝手に動き、彼女の取り皿へもう一品、そっと肉を置いていた。

柚木結華は、また増えた肉を見て、箸を握った手をぴたりと止める。罵りたい衝動を喉の奥で噛み殺し、むすっとしたまま口へ放り込み、もぐもぐと噛んだ。

……認めたくないけど、ここの家政婦の料理、うちよりずっと美味しい。

初めてここで九条獅堂と食事をした日から、この味が頭から離れなかった。まさか、彼の料理も家政婦に負けないなんて。

海外にいた間、こういう味に慣れてたってこと……?

男は彼女の表情も仕草も全部、...

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