第55章

午前0時。

九条獅堂は両手をポケットに突っ込み、静まり返った窓の外を見つめていた。点々と残るネオンが、寂しく瞬いている。

斎藤秘書は病室の扉の前で待機したまま、背中越しに彼を一瞥して、胸の内でぐるぐると迷っていた。

眠い。とにかく眠い。欠伸を堪えるのも、もう何度目かわからない。

社長のほうから「帰って休め」と言ってくれるのをずっと待っていたのに、九条獅堂はそんなこと露ほども思い当たらない顔をしている。斎藤は腹を括り、気まずさを飲み込んで口を開いた。

「九条社長、いったんお戻りになって休まれては……? こちらは私が見ております。柚木さんが目を覚まされたら、すぐにご連絡しますので」

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