第61章

女性オーナーは柚木結華の手を引き、奥へと案内した。そのまま店内のソファに座らせる。

「ちょっと待っててね。今、豆から挽いたコーヒー淹れてくるから」

「ありがとうございます」

そう言ってから、柚木結華は店に並ぶ、まだ見たことのない玉石の小物へ足を向けた。ひとつ手に取り、眺め、また別のものを手に取る。

「結華ちゃん、そんなにかしこまらなくていいのに」

女性オーナーは親しげに答えながら、缶に入ったコーヒー豆をマシンへと注いだ。

結華は手の中の小さな装飾品に目を落とす。国内で見かけるものとはまるで違う。もっと大胆で、もっと尖っていて、他人と同じを嫌う人間にこそ刺さる造りだった。

「今持...

ログインして続きを読む