第65章

書斎では、柚木安東の言葉がどんどん耳障りになっていった。

柚木結華はもう責め立てられるのにうんざりし、がたんと椅子から立ち上がると、勢いよくドアを開け、そのまま柚木安東の脇をすり抜けて大股で階下へ向かった。

柚木安東はまだまだ罵声を浴びせるつもりだったが、喉まで出かかった言葉を無理やり飲み込むしかなかった。

階下のリビングで話していた林田美菜子と岩崎優奈も物音に気づき、はっとして同時に階段のほうを見る。

柚木結華は無表情のまま、誰も寄せつけない空気をまとって、そのまま真っ直ぐ外へ向かった。

「結華」

林田美菜子はいち早く立ち上がり、そっと歩み寄ると、いかにも親しげに彼女の手を取っ...

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