第10章 すでに算段があった

来栖琴音は、自分の脳内で勝手に作り上げた光景に刺されて、目尻が赤くなる。

それに気づいた伊藤心優が、心配そうにのぞき込んだ。

「琴音、大丈夫?」

川島治も琴音のほうへ視線を向ける。

「琴音、そんなに心配するなよ。月乃なんて、ちょっと転んだくらいで逆に丈夫になる」

保健室の先生が手当てを終えると、いくつか注意点を伝え、残りの薬を袋にまとめて渡してくれた。家でも塗るように、と。

帰り際、担任が見送りに来て、深々と頭を下げる。

「本当に申し訳ありませんでした。月乃さんは今週はおうちでしっかり休んで、来週から登園で大丈夫です」

伊藤心優も頷いた。

「傷は軽いけど、擦りむいたでしょう...

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