第101章 重傷

病院に着くなり、来栖琴音は救急外来へ駆け込んだ。月乃を医師に引き渡した瞬間、膝が砕けるように床へ落ちる。

「お願いです……娘を、助けてください……! 月乃を……!」

泣くことさえ、忘れていた。

誰かが肩を抱いて立たせようとし、落ち着いた声で言う。

「焦らないで。こちらも全力を尽くしますから」

月乃はそのまま手術室へ運ばれた。琴音も後を追い、扉が閉まった途端、体から力が抜けて、ずるりと床へ滑り落ちる。しばらくしてようやく我に返り、震える指でスマホを取り出し、親友に電話をかけた。

どれくらい経ったのか。

川島治が川島の母を支えながら、目の前に現れた。

琴音の様子を見た瞬間、治の顔...

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