第103章 法廷

ここ数日、来栖琴音はずっと病院に詰めていた。

川島千晶は一度も姿を見せない。もともと月乃のことが気に入らなかったうえ、今は自分の子を身ごもっている。あちこち動き回る余裕なんてないのだろう。

――いや、動けないのかもしれない。いま川島家の人間が外に出れば、記者が見つけ次第、群がってくる。

病院には、川島治と川島の母が交代で差し入れを持ってきた。

琴音はまともに言葉を交わす気もなく、顔を合わせても視線すらくれずにやり過ごした。

あの一件以来、月乃は川島家の人間に二度と懐かなくなった。彼らの姿が視界に入った瞬間、月乃は来栖琴音の服をぎゅっと掴み、怯えたように胸へ潜り込む。

「月乃のお見...

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