第116章 救急

川島治は川島の母親に面と向かって叩かれ、ついに顔を真っ黒にして口を開いた。

「お前ら、J市にいないくせに、今のあいつがどんな有様かなんで分かる? もうとっくに俺を裏切ってるかもしれないだろ。そんなに噛みつくなよ。恩知らずだの何だの……確かに昔は金も手も貸してくれた。けどそれは、お前らが娘に勝手に与えたもんだろ。ここ数年、返すべきものは返してきた。俺が稼いだ財産を、理由もなく他人にくれてやる筋合いはない」

……他人?

来栖の父親がそれを聞いた瞬間、声を荒げた。

「川島治!」

ところが川島治は黙るどころか、さらに横柄さを増す。

「来栖琴音が、恩を盾にして見返りを求めるような考え方なの...

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