第130章 会いに来た

拓越テクノロジーの創業初期、彼女は仕入れ先の管理を川島治に一任していた。のちに会社が危機に陥ったとき、優良なサプライヤーを探すために彼女自身がK市まで飛び、厳選して三社を押さえた。そのうちの一社が夢生工場だったのだが――当時の川島治は「単価が高すぎる」と切り捨て、結局、契約には至らなかった。

それから何年も、仕入れ先の維持と交渉は川島治が握り続けてきた。

そして今、その引き継ぎを来栖琴音が受けたことで、そこが彼女の弱点になってしまった。

しかも、残っている古参社員は多くない。来栖琴音と川島治では、仕入れ先を選ぶ基準がそもそも噛み合わない。さらに、来栖琴音は就任したばかりで、社員たちは彼...

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