第134章 君と一緒に飲めるよ

来栖琴音は、親友がさっさと逃げたのを見て、焦りと怒りがいっぺんに込み上げた。

「伊藤心優……あんた、ほんとに親友なの?」

酔いの回った声で怒鳴り、追いかけようと足を出した瞬間――浅野琉生が腕を伸ばして行く手を遮った。大きな手が手首を掴み、ぐいっと引かれる。

ふらつく体が、そのまま硬い胸板にぶつかった。

もともと頭がくらくらしていたのに、衝撃で視界がぐるんと回る。天井も床も、全部が揺れて見えた。

「なにすんの、離して!」

腹立ちまぎれに押し返そうとする。

ほかの女にはあんなに綺麗に笑うくせに、自分の前ではいつも不機嫌そうな顔。どうして? なんで私だけ?

浅野琉生は眉ひとつ動かさ...

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